美女に値踏みされる男
36年間生きてきて産まれて初めて彼女ができたであろう瞬間を棒にふってしまった僕は生きる気力を失っていた。
今頃、ほんとだったら彼女とヒルトンで性感マッサージデートをしていただろう楽しいひと時もぽっかり空いてしまった。
だからその時間を利用して声かけに出る。
そして次の美女を連れ出す。
次の美女は…
日本が世界に誇る世界的大企業受付嬢、24歳、美人。(なぜ、ついて来た!?)
僕のタイプとはちょっと違うけど、ハイスペック美女なのでセックスがしたい!
1日5回セックスがしたい!
よし、理解しよう!
君の価値観を共有させてくれ!
そう意気込んでトークを展開していくが、どうもひっかかる。
ピリピリする。
何とも言えない値踏みされてる感覚。
『遊んであげてもいいけど、あなたにはその価値があるのかしら?』
そんな言葉にはしないけれど、一段高い所から吟味されているような閉塞感が漂う。
彼女は一流大学を卒業した才女だった。
そして彼女の彼氏はさらに偏差値の高い超一流大学の院を卒業し高年収だそうな。
その彼氏の俺は○○大学だからうんちゃらかんちゃらエピソードを聞く。
それにビビッて私は最悪な事に無駄に張り合おうとしまう。
張り合っても勝てる要素など何一つないというのに…(勝っても意味ないけどね)
この場合の張り合うとかは一種の逃げだ。
別の価値観で戦って、彼女を魅了する自信のなさからくる逃げだ。
僕はほんのちっぽけな自分の自尊心を守るために逃げてしまったのだ。
惨敗でござる。